【1】世界観光都市ランキング第一位の京都。でも、収入は89位。どうすれば収入は伸ばせるのか?

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デービッド・アトキンソン著『世界一訪れたい日本のつくりかた』

上り調子と言われている日本の観光産業ですが、まだまだ課題となる点はたくさん残されています。

デービッド・アトキンソン著『世界一訪れたい日本のつくりかた』では、日本の観光産業の問題点を指摘し、その伸ばし方、立て直し方を提案しています。

今回はその『世界一訪れたい日本のつくりかた』について興味深い点を取り上げてみました。

世界観光都市ランキング1位。でも収入は89位

表題のように京都は『Travel + Leisure』(2015、2016)『ワンダーラスト』(2017)などの海外の有名旅行雑誌の読者投票でめでたく一位を獲得しました。

ですが、驚くべきことに、京都市自体の2015年宿泊者数は世界89位となっており、宿泊者数、つまり収入実績に直結する指標としてはあまりにも低い順位となっています。

この順位はベトナムのホーチミン(38位)、ハノイ(56位)と比べても明らかに低い順位です。

なぜこの程度の実績しか稼げないのでしょうか。

著者が述べる主な理由や、収入を増やすための改善策をまとめてみました。

 

ターゲット設定をする

現在日本への観光客の8割以上は中国等アジアの国々から来ています。

著者としては、これははじめの戦略としては悪くないと言っています。

問題は今後のこととなりますが、

著者は「アジア以外から観光 目的でやってくる訪日客は、ビジネス目的の147・0%も支出して」おり、今後アジア以外、つまりアメリカ、欧州などからのインバウンドを誘致すべきだと述べています。

特に欧州はアメリカからの海外旅行客の1.7%が日本に来ていることに比べて、ドイツ、イタリア、フランスはそれぞれ1%以下しか日本に旅行していません。

著者はこのことをふまえ、最終的に上記3国中、国民の最も海外旅行にいく人口比率が高いドイツをターゲットにすべきだとしていました。

「魅力」のつくりかた

著者は「大量によびよせて、大量に捌く」という昭和的な観光業のやりかたを批判しています。

そういった「質より量」を重視する戦略では現状の中国や韓国などの近隣諸国の観光客は呼び込めても、目の肥えた欧州からの観光客には対応できません。

ですので、例えば文化財ならば、各季節ごとに展示を変えたりといった方法をとり、単価を高め、リピーターを増やしていく必要があります。

ここでは、データとして2015年の観光客数ランキングを利用しています。

当時フランスは観光客数ランキング1位の8450万人となっていましたが、イギリスは観光客数ランキングが8位で3440万人であるにもかかわらず、観光収入はフランス4位(約46億米ドル)、イギリス5位(約45億米ドル)、とほぼ変わらない金額となっていました。

この数字には、単価を上げ、それに伴うサービスを向上させたイギリスの戦略があらわれています。

 

自然こそが「最強の伸び代」

著者は、観光庁アンケート等を元に「自然・景勝地観光は歴史・文化の約2倍も「したい」と思われている」など、文化をアピールしてきた日本人に対して、欧米観光客との意識のズレを指摘し、自然をこそアピールすべきだとしています。

そして、「15 分で食べるファストフード よりは、3時間以上かかる懐石料理のほうが高価格」「「自然」のなかで行う、「体験型観光」」の「時間がかかる」点に言及し、滞在費とその環境に魅了されたリピーターを増やす戦略を提案しています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

京都の観光都市ランキング一位と、それに見合わない収入ランキング。

本著で著者が指摘している改善点が参考になれば幸いです。

今後『世界一訪れたい日本のつくりかた』について5回にわたって注目すべき点を取り上げていきたいと思います。

興味を持たれた方は是非本著を読んでみて、さらに、次回の投稿も読んでいただければ幸いです。

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