Win‐Winの関係築く対日投資 ‐外資の経験を日本で活かす‐【番組レビュー】

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JETRO「世界は今」2017年7月26日放送分では、日本への外国企業進出、つまり対日投資の内実と、日本企業のビジネスチャンスについて紹介されました。

対日投資は近年増大中で、2016年には過去最高となる額、約27.8兆円を記録しています。背景に五輪の開催や訪日外国人客の増加などがあり、特にアジアからの、観光分野におけるホテル、旅行検索サイトなどの企業進出が顕著です。

一方で研究開発目的の投資も増えており、外国の新しいIoT、ビッグデータ活用技術が、主に生産現場の自動化、効率化の面で課題解決に寄与しています。人手不足の解消や生産性向上に一定の効果をもたらしているといえるでしょう。

カナダ企業、観光地に事業展開

対日投資の具体例としては、人気の観光地、鎌倉での事業を試みるカナダのIT企業「LOOPShare」の取り組みが紹介されています。

鎌倉市役所の方は、著名な観光スポットへの観光客の集中を受け、それ以外の知られざる名所へ観光客を分散したいという思いをもっています。

そこに、自社開発のGPSダッシュボードを搭載した電動スクーターのレンタル事業を世界7カ国で展開する同社が参画しました。道幅が狭く、交通渋滞の多い鎌倉ではレンタサイクルを計画中で、ボードには観光ルートを表示する予定です。

鎌倉市は観光地情報、同社はビッグデータ化した利用者および行動ルート情報を互いに提供し合い、前者は観光客に紹介するルート決定戦略への活用、後者は全ての観光地で使えるデータの仕組みづくりを目指しています。

そして、実はここに日本企業も関わっています。LOOPShareは以前、沖縄で事業の実証実験をしていますが、その際、日本のベンチャー企業「ゼロ・サム」と共同でナビシステムを開発しました。

ゼロ・サムは国内自動車メーカーへのアジア向けカーナビシステム開発などを行っており、東南アジアや中東で実績があります。海外のベンダーがつくったそれまでのシステムにおける不十分な点をきめ細かく補ってくれていると、LOOPShareの担当者は評価していました。

このように、日本に進出した外国企業との提携に、日本企業のビジネスチャンスはありそうです。

観光客がもたらすビジネスチャンス

そうなると、外国企業が求める、日本で需要ある分野が何か注目されます。

有望株としては、ここ最近成長目覚ましい観光分野があげられるでしょう。

日本を訪れた外国人の数は2016年時点で約2400万人にも上り、前年比では約22%増加、前年を上回るのは5年連続となります。政府はすでに、当初2000万人だった2020年の観光客数目標を4000万人へと変更しました。

その観光分野で急成長しているのが、シェアリングエコノミーによるサービスです。

これはモノやサービスをシェアするビジネスで、住宅の空き部屋やオフィスの会議室、駐車スペース、自動車、自転車、中古品などに関するやり取りがインターネットを介して行われます。空き部屋を旅行者に貸すことで利益を得る民泊、自動車や自転車のレンタルなど、事業は多岐にわたり、使われていない資産を有効活用できるビジネスとして注目を集めています。

それは結果的に、関連事業の活性化も促すと考えられます。

例えば動画では、観光客を想定した電動スクーターのレンタル、自転車のレンタル計画に関して、日本版ナビシステム、バッテリー、駐輪スペースなどに関する事業も参入できると語っていました。

伸び代あるシェアリングサービス市場

情報通信総合研究所の調査では、こうしたシェアリングサービスの潜在市場は現状の2倍以上だと見込まれており、サービス利用者側の支出は2016年時点で約4400億円、潜在的には約1兆1100億円とされています。この金額は日本人のみを対象にして算出しているので、訪日外国人を含めればさらに規模は広くなるでしょう。

なお、利用者側が最も支出したのは移動に関するサービス、つまり自動車やバイク、自転車などに対してです。同調査は、この移動関係サービスが利用者側にとって潜在的な需要が最も高いとしており、特に移動手段が少ない地方においてご年配の方に求められると予想しています。

政府は地方含む各地の経済活性化のため、シェアリングサービスの普及に取り組んでおり、観光産業での活用も進んでいます。

シェアリングサービス、特に移動に関するサービスは、鎌倉へのレンタル会社参入、日本における潜在市場規模にみられるように、外国人と日本人ともに大きなニーズをもつカテゴリとして、今後に期待できるかもしれません。

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