国際物流ハブを目指す沖縄 ‐アジアへのゲートウェイ‐【番組レビュー】

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2017年8月2日放送分のJETRO「世界は今」では、沖縄を拠点にしたビジネスについて語られました。主に観光客向け食品と、アジア各国への食品販売における物流拠点としての沖縄の役割が紹介されています。

沖縄は観光資源が豊富で、訪れる外国人観光客は年々増加しています。

2016年に来訪したクルーズ船は387隻と前年比77%アップ、アジアからのフライト本数は2015年の毎週112便から2016年には171便へと増加しました。

2016年の観光客数は208万人と、過去最高を記録。特に中国、台湾、韓国などアジアからの観光客が増えています。

日本全国の特産品が集まる地、沖縄

そこでまず見込まれるのが、外国人観光客が好む日本の特産品需要です。

沖縄では日本の美味しい物を食べたいという観光客向けに、県産の食品だけでなく、日本全国の食品も取り扱っています。例えば、北海道産ホタテやあわび、島根県産しめさば、といった品の数々です。

さらに沖縄は、アジア各国への物流網を活かした、食品販売の中継地点としても、強い存在感を放っています。

那覇空港にはANAが整備した国際物流ハブがあり、多くの貨物がアジア諸国へ届けられています。それを活かし、地元の商社は複数社で連携して、県産品に加え、全国各地の商品、例えば三重県のブルーベリージュースや長野県産高野豆腐などを各国へ販売しています。
現地へのアンテナショップ設置も進めており、沖縄で日本の食を味わった観光客が地元でも同じ体験をできるよう取り組んでいます。

また、沖縄の強みはこれだけではありません。

ヤマト運輸と連携し、知名度問わず日本各地にある様々な食品を、沖縄を介しアジアへ迅速に販売する取り組みも行っています。

これまで運搬の関係であまり表に出なかった青森県の陸奥湾ホタテなども、最短で翌日には香港に届けることができます。朝8時に青森県のむつ市を出発すれば、翌日朝9時には香港に到着するというスピード輸送です。

加えて、ヤマトはセントラルキッチン、いわばアジアの台所として、沖縄の力をさらに高めたいとも考えています。
全国から食材を集め、沖縄で調理、加工、もしくは生産をも行ない、アジアへ届けるというスタイルで、日本にとっては世界をより身近にする取り組みといえます。

自治体による支援

沖縄ではこのように、生鮮食品をはじめ各地特産品の販売が進んでいますが、これには沖縄県による支援も関係しています。

那覇市やその近隣地域は日本で唯一の国際物流特区であり、企業集積やインフラ整備促進のための取り組み、税制においては、国税、地方税、関税の軽減措置などが実施されています。各種補助金や助成金制度も存在するなど、進出のための環境整備は熱心に行なわれています。

なお、動画で紹介された全国特産品販売においても、県内輸出商社に対する補助策がとられています。

全国特産品流通拠点化進事業補助金と呼ばれるそれは、県外への渡航や海外事業者招聘の際、一定額を補助する制度で、商社がより活動しやすくなるようなメニューが組まれています。

また、輸出事業者に対し、航空会社のコンテナスペース確保事業も行なわれており、輸出拠点としてのスペース確保はしやすくなっています。県内の会社が仕事しやすくなれば、各地の業者の方にも良い影響を与えるでしょう。

近年では沖縄大交易会と称される、サプライヤーとバイヤーの商談会が開かれるようになり、そこでは海外販路を求める企業が市場開拓に向けた話し合いを行っています。

2015年の第2回大会における参加企業はバイヤー側182社、サプライヤー側200社で、後者のうち142社は県外からの参加です。2日間で個別商談数は1,929件、フリー商談数は344件に上りました。

沖縄は東アジアの中心、つまり中国、日本、ASEAN合わせ人口約20億人の巨大マーケットの中心に位置します。

那覇空港からの食料品・飲料関係の輸出額は着実に増えており、2008年には約1,500万円だったのが、2015年には約6億4,100万まで増大しました。

知名度の高い特産品のみならず、地域でひっそりと食されている品にも、販路拡大のチャンスは十分あるといえるでしょう。

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