参加国に見る「未来のエネルギー」のカタチ ‐カザフスタン アスタナ万博 後編‐【番組レビュー】

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9月6日放送分のジェトロ「世界は今」では、アスタナ万博における各国の様子が紹介されました。中央アジアのカザフスタンで開かれたアスタナ万博のテーマは未来のエネルギーで、137の国と機関が参加。来場者は3カ月の間に300万人を超えました。

テーマに則り、再生可能エネルギーや新エネルギーのPRが多くなっていたようです。

2016年における世界のエネルギー消費量は中国23.0%、アメリカ17.1%、インド5.5%、ロシア5.1%、日本3.4%、ドイツ2.4%、韓国2.2%、その他41.3%。動画ではそのうちドイツ、ロシア、中国、韓国、そして開催国であるカザフスタンにおけるそれぞれのエネルギー事情と、今後の取り組みについて語られていました。

優等生のドイツと大胆なロシア

ドイツは再生可能エネルギーの消費量が全体の12%を占め、また2017年7月時点において再生可能エネルギーで全電力をまかなっている地域、都市が95あるという新エネルギーの先進国です。

しかし、エネルギー体制の移行に伴い国民の税金負担は大幅に増加し、電力料金が高騰するなどの影響も出ています。それでも、ディーゼル車やガソリン車の販売を禁止していく、2022年までの原子力発電廃止を決定するなど、化石燃料や原子力からの脱却は続けていく方針です。

今後はさらに20、30年かけて、再生可能エネルギーの割合を高めるため、技術を発展させていくと、担当者は述べていました。

一方、ロシアは化石燃料を中心にエネルギーを消費していますが、国営の原子力関連企業ロスアトムが風力発電の大規模プロジェクト投資を行うなど、再生可能エネルギーへも目を向けています。

また、ロシア最北のぺヴェク港にて、世界初となる「浮かぶ原子力発電所」を設置するといった、革新的な取り組みも行っています。これは海上に浮かべた船体に小型の原子炉を取り付ける、というもので、2019年から稼働予定です。

カザフスタン、中国、韓国の取り組み

カザフスタンは総発電量の8割が火力発電で、その多くを石炭に依存しています。主に使用している褐色の石炭、褐炭により、臭気、すすによる大気汚染が深刻な社会問題となっています。

今後の課題としては、水力、ソーラーエネルギーなどを活用し、石炭を上手く使いながらいかに環境への負荷を減らせるか、があげられています。ゆくゆくは、現状割合としては1%の再生可能エネルギーを、2020年までに3%、2030年に10%、2050年には50%まで高めていきたいと語っていました。

石炭がエネルギー消費の6割を超える中国では大気汚染など環境問題を防ぐため、国内の石炭生産を抑制し続けており、消費量は3年連続で減少しています。

今後は一帯一路構想のもと、他国と技術協力やエネルギー開発、未来のエネルギーやグリーンエネルギーの分野でも一層の協力を推進していくと考えています。

韓国には、1人あたりのエネルギー消費量は世界で上位なのに、政府が多額の財政支出により電気料金を安く抑えているので、使用量が抑制されない、といった現状があります。

そこで、エコ・フレンドリータウンと呼ばれるいくつかの島や地域では、IT技術を使って再生可能エネルギーで全電力をまかない、余った電力は売電に回す、という取り組みをしています。これからはこの取り組みを全国に広げ、電力利用における選択肢の1つとしていきたい、とのことでした。

異業種間提携で成り立つ新たなエネルギー体制

エネルギーを活用する取り組みは多岐にわたっています。そして、この取り組みは異業種を巻き込んで行なわれることがあり、そこにビジネスチャンスが生まれる可能性もあります。それは例えば、スマートグリッドにおいてです。

これはITを使って電力の需給バランスを調整し、利用を効率化する仕組みです。特に風力や太陽光発電といった、発電量が安定しない再生可能エネルギーの利用に役立ちます。

ヨーロッパでは自治体ごとにエネルギーの電源や電気自動車などと家庭や企業の電力使用状況をITで制御し、都市でエネルギーを自給自足しているところもあり、日本でも実証実験が行われています。

火力や水力、原子力、再生可能エネルギーなどを扱う会社のみならず情報通信、住宅、家電会社など異業種の提携が見込める分野といえるでしょう。今後さらにその規模は拡大していく見通しです。自治体をも巻き込む動きであり、そこに関わることとは、多大な利益につながるかもしれません。

 

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