日本のお米をパックライスで中国へ ‐発想の転換で市場を開拓‐【番組レビュー】

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中国のコメ事情

9月13日放送分のジェトロ「世界は今」では、発想の転換による中国市場の開拓方法について紹介されました。

中国は米の最大消費国で2016年の消費量は約1.4億トンと、約850万トンである日本の17倍ですが、いま中国に対して、日本の精米はほとんど輸出されていません。その理由は、複雑な中国の検疫制度にあります。

精米を中国市場に輸出する場合、中国指定の精米所とくん蒸処理施設を経る必要があります。しかし、前者は日本国内に1カ所、後者は2カ所しかありません。そこで注目を集めたのがパックライスです。

パックライスは日本で加工処理したものなので、直接市場に届けることができます。また、日本の軟水を使えるので美味しさもそのまま、賞味期限も10カ月ほどと長く、輸出に向いています。

ただ、パックライスの中国への輸出には課題もあります。それはパックライス自体の認知度です。そのため認知度を高めるべく、中国の日系スーパーでキャンペーンを行い、陳列と同時にふりかけなどを合わせた食べ方の提案もしています。

あるスーパーでは当初の売上目標を越え、簡単で便利との評価をもらっています。この取り組みは上海など都市部を中心に各地で展開されています。

チャンスをものにした日本企業の取り組み

こうしたチャンスに目を付けた日本の企業としては、京都府の農樹が紹介されていました。同企業は3名で米の生産・販売事業を行っており、農薬をあまり使わない特別栽培米を世に送り出しています。

国内では大手百貨店などで販売され、その品質は高い評価を得ています。さらにアメリカや台湾、香港、シンガポールなどにも輸出しています。以前は中国に目を向けつつも検疫制度の問題から参入できずにいましたが、パックライスで状況が変わりました。

同国の日本産食材のPRイベント出展などの取り組みが実を結び、上海の日本食レストランで高級仕出し弁当のご飯として採用されるなど、現在は一定の成果をあげています。

中国人観光客増加からみるECのチャンス

中国における販路開拓には困難が伴う場合もありますが、発想と方法を変えればチャンスが見えてくると考えられます。

例えば、中国では電子商取引、ECが盛んですが、こと日本商品の購入に関しては、品質に一定の信頼がおけるものを中国外に行かずに手に入れたい、という心理が働いているかもしれません。そうなると、インターネット通販に商品を出すことも1つの手段になりえます。

ジェトロの中国におけるECについての調査レポートには、そのような記述とともに中国の方のインターネットショッピングは訪日観光客の爆買いがやり方を変えたものだと記してあります。

となれば、中国ではあまり販売されていない日本産の商品、化粧品や食品、健康食品、医療品、電気製品などにもチャンスが見込めるかもしれません。近年では中堅、中小企業の商品が増えてきたという声もあります。

販売する際には実際の店舗でのPRや、SNSの活用、配送などの体制づくり、頻繁に変わる中国の制度の理解などが必要になってくると考えられますが、日本商品の良さを知る中国人観光客が増加している今、そこに参入することは決して悪い手段ではないといえるでしょう。

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