極上ウニに商機アリ ‐日本食ブームを追い風に‐【番組レビュー】

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9月20日放送分のジェトロ「世界は今」では、海外でニーズが高まっている高級ウニの商機について紹介されました。現在、日本政府は農林水産品の輸出増大を目指していますが、そのためには品を増やし市場を拡大する必要があります。そんな折、日本食ブームが起きつつあるベトナムにてビジネスチャンスを見出した日本企業の様子が語られました。

ベトナムで見込める利益

ベトナムでは大都市を中心に日本食料理店が展開しており、屋台ビジネスのなかには夕方になると洗車場から寿司店に変わるストリート寿司、という店もあるほどです。値段はマグロ約120円、サーモン約130円と、物価の安いベトナムにおいては強気の価格設定がされていますが、それでも屋台は大繁盛で利用客からも高評価。所得が増え、人々の生活にゆとりが生まれつつあるのがわかります。

そこにチャンスを感じ、北海道のウニ加工メーカーは輸出のため動き出しました。ウニの国内需要は高くても、主に仕入価格の高騰により業者の多くは低利益に苦しんでいます。仕入価格は10年前の2倍になったのに買取価格は安いままなうえ、複数介在している仲買人の存在もあり利益率は低くなっています。

しかし、ベトナムに可能性を感じた担当者がジェトロの輸出商談会に参加したところ、非常に将来性のある話ができました。現地バイヤー168社、日本企業35社が参加した同商談会では、日本の3倍の販売価格でもすぐに欲しいといわれたほどです。ウニは日持ちしませんが、だからこそ希少性が高く価値があるといえます。

高品質を求められるベトナムの寿司店

日本の水産物流通には川上から川下までたくさんの会社が関わっていますが、海外ではレストランと直接話ができるため、交渉がうまくいけば大きな利益が出るかもしれません。経営安定化にあたっては、日本マーケットが小さくなっていくことを前提として輸出による販路拡大を目指す、という考えも商談会出席者から聞かれました。

ただ、例えばウニについては、ハノイの高級すし店の店長からは時間が経って旨みが落ちてると評されていたことから、高い品質を維持する必要もあります。そのお店は客単価が約5,000円、寿司ネタは築地から直送としっかりとしたこだわりをもっており、そういった場所で満足してもらえれば販路はさらに広がるでしょう。

日本におけるウニの養殖

なお、北海道では生産者と漁協、加工会社が協力したうえで、ウニの養殖も精力的に行っています。具体的には、稚ウニを育成してから外洋に放流、そして10数kmにわたって設けられたウニ牧場へ移動、という過程を経てウニを育てていました。

稚ウニの年間出荷量は約250万個という状況ですが、世界中を視野に入れたとき、現在の供給量では需要を全くまかなえていないとされています。ですが、新たな量産技術の開発など、更なる挑戦を続ければ、利益拡大のチャンスはより見えてきそうです。

ベトナムの水産品

では、ベトナムの水産品の日本からの輸入も含めた現状はどうなっているのでしょうか。

2017年3月にジェトロが出した農林水産品目の調査報告書によると、ベトナムで主に漁獲される魚はサバやマテアジ、マグロ、カタクチイワシ、カンパチ、タチウオ、キス、カワハギ、ハタ、イカ、タコ、エイ、カニ、エビ、シャコといったものになっています。また、養殖漁業が盛んであり、主な魚種はエビ、ナマズ、ティラピアなどです。

輸入については、2014年における輸入国はインドがトップ、続いて台湾、ノルウェー、日本、韓国と続きます。日本のシェアは6%ほどと、あまり高くはありません。

日本の農林水産省の統計では、2015年の日本からの水産物輸出額は220億円で、品目としては上からホタテ貝、サバ、サケ・マス、カツオ・マグロ、イカの順となっています。今後拡大が見込める有望食品としては、ブリ、サバ、サケフレークがあげられています。

現地の人々の嗜好

また、ベトナム人は淡水魚、海水魚を普段から食べており、ライギョやティラピア、ナマズ、コイ、またアジ、シタビラメ、マグロなどを好んでいるようです。自国の食文化に愛着をもっているベトナムでは、そこで使われている調味料や調理方法に合う水産物が比較的受け入れられやすいと考えられますが、魚介類全般に関する嗜好は日本人と基本的には変わらないとされます。

そして、日本産水産物の販売にあたっては、日本料理店を通じての展開が効果的かもしれません。店舗はすでにホーチミンとハノイ市といった大都市を中心に700ほど存在しています。販路を確保できれば、これまで以上の利益をもたらしてくれる可能性はあると考えられます。

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