ロシア自動車産業 低迷脱却のカギ ‐通貨安で急がれる部品の現地調達‐【番組レビュー】

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ロシアにおいて、自動車は重要な交通手段となっています。モスクワなどの大都市へ行けば公共交通機関が発達していますが、それ以外の場所では自動車が必要不可欠です。

しかし、2015年の新車販売台数は、ロシア経済が冷え込んでいる影響で35.7%減と厳しい状況です。そこで、ロシアに進出している日本企業は部品の現地調達化に力を入れています。

ロシアでは自動車部品に5%の関税がかかり、さらにルーブル安が加わるため、日本からの部品の輸入は生産コストがかかってしまいます。しかし、部品を現地で調達することができれば、生産コストを削減することができるからです。

 

サンクトペテルブルクに企業展開している日産は、日本部品メーカーをロシアに呼び込むことに加えて、ロシアの地元メーカーの育成にも力を入れています。今では、自動車部品の現地調達率が60%を超えるほどになりました。

さらに、モスクワで開催された部品の見本市が、日本企業と地元部品メーカーのかけ橋になっています。実際に、見本市で日本企業のカルソニックカンセイが  宇宙産業部門を支えているロシアのメーカーと商談を進めていました。

この宇宙産業部門のメーカーの課題は大量生産が難しいことにあります。このような課題は、宇宙産業部門に限らず多くのロシア企業が抱えています。

しかし、それらの課題も日本の技術をそのまま移転したり、指導したりことによって十分に改善の余地があると日本企業は考えています。

 

また、ロシア政府もロシアの企業のレベルアップ支援を積極的に行っています。そこに日本企業が支援をすることで、さらに部品や材料の現地調達化が加速する見込みです。ロシアの地元企業も、高品質な部品を現地で調達したいという日本の要望に、設備投資によって応えようとしています。

ロシアの部品メーカーの育成に力を入れている日本企業ですが、エンジンの部品や制御系の部品など まだまだロシアで調達できない部品も多いようです。しかし、その分だけ  日本のサプライヤーによるロシアへの直接投資とロシア政府による支援によって、技術を展開する余地はまだまだあると日本企業は見ています。

 

今回はロシアの自動車産業についてということで、私が今までに聞いた日本人から見ると少し驚いてしまうようなロシアの自動車事情や交通事情についてご紹介したいと思います。

レンタカーは2台以上

ロシアで自動車が必要不可欠であるというのは本当の話で、特に少数民族を研究している学者は現地でドライバーを雇ってレンタカーで移動します。

大学の先生に聞いたところによると、一番の問題は雪だそうです。雪に車が埋もれてしまうことがあるので 雪をみんなで掘って対応したり、どうやらバッテリーもあまりの寒さに勝手に上がってしまうようだということで、予備の車が登場したりします。

車がたくさん通る都市部でしたら他の人にバッテリーを充電して貰えばいいのですが、人も通らないようなところで止まってしまうこともあるので、最低でもレンタカーは2台用意するのだそうです。※先生は一度一台だけで行ってしまい、失敗したことがあるそうです。

 

雪道用のタイヤはつけない

さらに、ロシアでは雪道用のタイヤをつけません。見るからに雪が降っていても、雪がたくさん積もっていてもつけません。

というのも、皆がスノータイヤをつけないのに自分だけつけていると、ブレーキを踏んだときに前の車にはぶつかりませんが、後ろの車にはぶつかられてしまうからです。酒井陸三・『ロシアン・ジョーク』より)

 

交通ルールは絶対ではない

先週ロシア人の先生から聞いた話によると、ロシアの都市部ではそもそも交通ルールなるものが破綻しているそうです。

ロシアでは≪Езжай по правилам, потихоньку… и тебя будут ненавидеть все водители и гаишники.≫とよく言うそうで、これは「ゆっくりとルール通りに道を進むと、他のドライバーと交通警察に嫌われる」という一つのジョークです。

もちろん法律では禁止されていますが、車が少ない道路だったら出る限り何キロでも出すし、信号が赤でもほかに車がなければ普通に無視するという話には、日本人だったら誰でも驚くのではないでしょうか。

 

日本車はロシアでは七不思議の1つ!?

車レンタカーが2台以上必要であったり、雪道も平気で普通のタイヤをつけて走行したり、交通ルールもいい加減なロシア人ですが、日本車の性能の良さは驚くばかりだと言います。

特に、バッテリーが上がらないというのがとても良いのだと聞きました。どこの国の高級車でもバッテリーが上がってしまうのに、なぜか日本車だけはバッテリーが上がらない。あまりにも性能がよいということで、ロシアでは七不思議並みの謎になっているとか。

日本車はロシア人から大いに期待されていますし、反対に日本側もロシアに高品質な部品の生産を期待しています。そのような意味でも、よいビジネス・パートナーになる可能性を秘めていると言えるでしょう。

 

 

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