日本のエネルギー技術を世界へ ‐カザフスタン アスタナ万博 前編‐【番組レビュー】

8月16日に放送されたJETRO「世界は今」では、現在カザフスタンの首都アスタナで開催されている国際博覧会、特に日本館の様子と、将来のエネルギー事業について紹介されました。

国際博覧会には137の国と国際機関が参加しており、開催期間は6月10日から9月10日までとなっています。テーマは“未来のエネルギー”となっており、250万人もの人が来訪するなか、“エネルギーミックス”をコンセプトとする日本館には約50万人が訪れている模様です。

日本がもつエネルギー技術の強み

カザフスタンは石油や石炭、天然ガスなどの資源が豊富で、発電量のうち約8割を火力発電が占めます。一方で、その多くを石炭に依存しているため、大気汚染が深刻な社会問題にもなっています。

日本が打ち出しているのは新しいエネルギーである水素と、それに在来型エネルギー、再生可能エネルギーを組み合わせて用いるエネルギーミックスの活用法で、省エネルギーの知見に関しても大きな注目を集めています。

水素エネルギーは、地球上に無尽蔵に存在する水素を用いたエネルギーで、太陽光や風力といった再生可能エネルギーと組み合わせれば、CO2排出量ゼロのエネルギー供給も可能になります。

そのシステムの1つが、東芝のH2Oneです。これは余った再生可能エネルギーを電気分解して水素を製造、貯蔵し、必要な時に供給するシステムで、太陽光などのクリーンエネルギーと水しか使わないため、CO2が出ることはありません。

長期間劣化しない、放電して容量が下がることがないという、高い保存性が特徴である水素を活かしたシステムだと言えます。川崎市の施設では災害時用電源設備に活用されており、東芝はその発展型として水素エネルギー利活用センターも設けました。

こういった技術や、資源に乏しい日本ならではの工夫や知恵が凝縮された省エネ技術に対して、来訪者やカザフスタンのエネルギー省幹部の方は大きな興味をもっているようです。

新エネルギーの具体的活用例

では、実際に新エネルギーを活用するとすれば、どのような展開をみせるのでしょうか。

一例としては、日本の水素エネルギーに対する取り組みがあげられます。

トヨタの燃料電池車はその代表例といえるでしょう。水素の化学反応により発生した電気を用いる燃料電池車は、電気自動車とともにエコカーとして注目を集めています。

そして、この燃料電池は、一般的な自動車に活用されるだけではありません。先日、トヨタとセブンイレブンは、燃料電池トラックや店舗への燃料電池発電機などの導入検討に向けた合意書を締結しました。

これにより、配送用トラックにおける冷蔵庫と冷凍庫の動力ならびに冷蔵、冷凍ユニット電源の燃料電池化が実現される可能性が出てきました。また店舗にも、燃料電池発電機や蓄電池が設けられるかもしれません。店舗においては既存の太陽光発電などと組み合わせたシステム導入が検討されています。

さらに、セブンイレブンは岩谷産業と手を結び、すでにコンビニ併設型の水素ステーションもオープンさせています。水素活用というと販売されているトヨタ車の印象が強いかもしれませんが、物流への応用や発電設備としての設置など、その幅は予想以上に広くなりそうです。